今年初めての読書ログ、1月前半分となります。
これまでの読書ログはコチラ。
1月前半に読んだ本は5冊でしたが、内2冊は健康本という実用書なので・・・。インプットした文字数としては少なめですかね(;'∀')
いつもは評価の高い順に書いていますが、今回は甲乙つけがたかったので読んだ順に書いていきたいと思います。

評価:★★★★
2020年、初読了の1冊は図書館で借りたこちら。
何気に森絵都さんの本はこれが初めてです。
舞台は昭和36年。小学校の用務員として働きつつ、落ちこぼれた子供たちの勉強を用務員室で見てあげていた大島吾郎が、ある女子生徒の母(シングルマザー)である千明に説き伏せられて一緒に学習塾を始めるところから物語はスタートします。
2人はその後結婚。物語の視点は、千明、そして吾郎の孫の一郎へと変わりながら、やはりずっと中心に「学習塾」を据えて紡がれていく壮大なストーリーです。
この大枠のストーリー自体は聞いたことがあって、何となく私は「夫婦が二人三脚で支え合いながら、地域の子供たちの拠り所となる塾を経営していく」みたいなハートフルストーリーを想像していたのですが・・・。
ぜーんぜん違いました(;'∀')
もっとドロドロ、ギスギスしていて、夫婦間や家族間の確執やら、塾をめぐるお金の生々しい話やら、意外なほど人間の嫌な部分なんかもたっぷり書かれていて。
でもその分ものすごく読み応えがあって、かなりページ数は多いのに引き込まれるように一気に読んでしまいました。
小説でありながら「学習塾」をめぐる歴史も知ることのできる1冊で、「学習塾=悪者」扱いで学校現場からは敵視されていた時代から、受験ブームや学校の週5日制導入などで学習塾への期待や重要性が高まっていく時代へと変わり、さらに、落ちこぼれていても「学習塾」にアクセスさえできない子供の存在が問題になっている現代まで、時代とともに「学習塾」の在り方や求められることが変わってきたことがよく分かります。
読んでてツラいページもありましたが、最後は明るく幸せに終わったのはとても良かった。
そして、吾郎、千明、一郎と、それぞれ学習塾へのスタンスは違えど、生涯をかけて情熱を注げる何かがあるっていいなぁとうらやましく思いました。
評価:★★★★
今年のテーマでもある「冷えとり生活」を始めるにあたり、まずはKindleUnlimitedの読み放題対象で関連書籍を・・・、ということでサーチして最初に読んだのがこの本です。
↓kindle版
「専門家が冷えとり生活について指南する本」ではなく、慢性的に体の不調を抱えていた著者がいろんな健康法を試した体験談を綴ったもの(失敗含む)。
なので、冷えとりに有効なことが網羅的・専門的に書かれているわけではないのですが、体験談なのでリアルで説得力があり、女友達と健康法について情報交換してるみたいな気持ちで「お、やってみよう♪」と思わせてくれるハードルの低さがありました。
最初に読む1冊としては読みやすくて良かったと思います。
冷えとりの基本のキである「絹と綿の靴下4足重ね履き」もこの本で初めて知って、このところちょくちょく買ってる私ですが。
この本(紙の単行本)が出版された2003年時点で、著者は10年以上の重ね履き生活を続けているとのことなので、すなわち少なくとも1993年より前には「靴下重ね履き」という健康法が世の中には存在してたということですよね。
いやぁ、全然知らなかったよ・・・。
(2020年に入って知った私)
重ね履き以外にも、
・上半身を温めるのは逆効果
・肌に触れるものは天然素材100%を選ぶ
・冷えとり生活を続けてると一時的に悪い症状が出る(瞑眩←めんげんと読みます)
・つま先立ちで血行を良く
評価:★★★★
これも冷えとりのための1冊。図書館で借りました。
体験談がベースだった②とは逆で、こちらは医師による指南書です。
「温活」や「冷えとり」で書籍をサーチしていると、石原結實さん(「いしはらゆうみ」と読むそうです)という医師の方の著作がたくさん出てきて、その道の大家なのかな?と思っていたのですが、この本の著者はその石原結實さんの娘である石原新菜さん。
父娘で冷えとりの伝道師なんですねぇ(*‘∀‘)
医師の方が書かれてるだけあって、②より体系的・網羅的で、絵や図解も多く、これはこれで分かりやすくてとっても良かったです。取り入れられそうなこともたくさん書かれていたので、ぜひとも習慣化していきたいなと思いました。
ということで、取り入れたいと思った箇所を一応メモ。
・上半身の筋トレ→壁腕立て伏せ
・下半身の筋トレ→ダイナミックフラミンゴ(片手を壁に付けて片足立ち1分間)
・靴下重ね履きより腹巻の方が手っ取り早い(365日着ける!)
・体調が悪いときはあまり食べない
・入浴は、42℃以上のお湯に3分つかる×3回が効果絶大(3-3-3入浴法)
マジでただの箇条書きのメモでスミマセン(;'∀')
いくつかは早速やってますよ〜!!
今年読破したい作家の一人である斎藤美奈子さんの「文章読本」書評本。
「文章読本」というのはいわゆる「文章の書き方指南書」のことで、そうそうたる大御所の方々(谷崎潤一郎氏、三島由紀夫氏、井上ひさし氏、などなど)がそのまんまズバリ「文章読本」というタイトルの本を出版しているのですが、それ以外でも「文章の書き方指南書」は古今東西たーくさんの人が書いていて。
みんな一体どんなことを主張してるのさ?ってのを、この「文章読本さん江」という本で辛口にアレコレ比較・論評しています(またこのタイトルが皮肉に満ちてますよね)。
いやー・・・。
この本の感想を一言で表しますと。
めちゃくちゃマニアック(;'∀')
ってのに尽きますかね。
面白かったですが、ちょっとマニアックすぎてところどころ眠かった・・・。
しかし私が驚いたのは、そんなに昔から「文章の書き方」についての本がさかんに出版されていたという事実。
書評対象の参考文献だけで膨大な量です。
昨今「文章の書き方」の本ってすごく流行っているような気がしていて、それはインターネットの発達により猫も杓子も文章を書いてワールドワイドに発信できるようになった(=一億総作家状態)からなのかと私は思っていたのですが、そうではなくずーっと昔から「文章をうまく書きたい」と願う人々も、そんな人たちに「文章の書き方」を指南する本も、少なからず存在していたということですよね。
なんだか「書かずにはいられない」という人間の性みたいなものを感じますねぇ。
ちなみに、昭和の時代は書いた文章の発表の場は主婦雑誌などへの投稿だったそうで、その投稿をきっかけに著作を出版するに至った主婦の方もいるそうです。
それって、現代の「ブログの人気化→書籍出版」と構造は一緒ですよね。その辺りも、昔も今も変わらないんだな~と思ったり。
この本の中では様々な文章読本への(超マニアックな)書評だけでなく、「文章を書くこと」「文章を教えること」の時代による変化にもかなり紙幅が割かれていて、私としてはそちらの方が興味深く読みました。
たとえば、学校での作文教育(この作文という言葉も比較的新しいもので、戦前は綴り方と言ったそうな)において、書かせるべきは「伝達のための文章」なのか「表現のための文章」なのかという論争が激しく繰り広げられてきたとか。そんな議論の中で彗星のごとく現れた次世代のスターが読書感想文だったとか(とにかく指導者側から見ていろいろ好都合だったそうな)。
古来から文語体で書かれてきた文章が口語体化される過程(明治末期の言文一致運動)では、試行錯誤ゆえに今見ると笑っちゃうような文章が大真面目に書かれていた(「ござる体」「かッた体」「棒引きかなづかい」など)とか。
こういった歴史的な背景を読むと、何事も様々な議論や試行錯誤を経て形作られてきているわけで、それを知らずに「今」だけを見て批判するのはナンセンスなんだな〜なんて思った私でありました。
ちょっと読むのに時間のかかる1冊でしたが、情報盛りだくさんで読み応えはありました。文章の歴史に興味のある方はぜひ♪

評価:★★★★
最後のこちらも図書館で。
久々に吉田修一さんの小説を手に取りました。
人が罪を犯すまでに堕ちてしまう、その過程を丁寧に描いた5編の短編集です。
内2編をもとに映画化もされていますね。
これね、読むとすぐ分かりますが、(おそらく)どの話も実際あった事件をモチーフにして描かれています。
木嶋佳苗事件、大王製紙前会長のカジノ狂いによる横領、清原選手の覚せい剤使用など・・・。
モチーフにしてるだけでほとんどのエピソードはフィクションだとは思うのですが、すごくリアルというか、人はある日突然堕ちてしまうのではなく、気付かないくらい少しずつ少しずつ方向が狂っていって、気が付いたらもう後戻りできないところにいた・・・というその過程がとても身につまされます。
一話一話は短編ですが、下手な中編〜長編小説よりずっと読み応えがありました。
どの話もとても切なくて悲しい終わり方で、読後感は決して良くないのですが(いわゆる「いやミス」というやつですかね)、引き込まれて読み始めたら止まらない1冊です。
以上です!意外と長くなっちゃいました。
1月前半の読書生活は、小説に始まり、「冷えとり」を学んで、書評本に寄り道し、小説で終わる。という感じでした!
(何の総括にもなってねぇ)
どれも面白くて、2020年の読書としては良いスタートを切れたのではないかと思います(*´▽`*)
今年も徒然なるままにたくさん本を読んでいきたい(目標100冊!)と思いますので、読書ログもよろしくお付き合いください。ペコリ。
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2020年読書進捗 5冊/100冊
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では♪♪♪
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