最近「やべーこれめっちゃ面白い!!」という本を立て続けに読んだので。

久々の本レビューです(*´▽`*)
2019年ノンフィクション本大賞
ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (新潮文庫) [ ブレイディ みかこ ]
2019年に本屋大賞のノンフィクション本大賞を受賞してかなり話題になっていたので読まれている方も多いでしょうか。
ずっと気になっていて、この6月に文庫化されたことを機に手に取ってみました。
イギリスで暮らすブレイディみかこさんの息子さんが、「底辺校」と言われる地元の中学校に進学して体験した日々の出来事をつづったエッセイなのですが。
これは・・・。
めちゃくちゃ強烈です(;'∀')
何がって・・・。
差別や偏見、格差がですね。
移民(日本人含め)や貧困層に向けられる露骨な差別の様子や、裕福な私立校と底辺の公立校が決して交わらない分断の様子などが淡々と描かれていて、読み進めていくと何度もギョッとさせられます。
読みながら「ヤベーな、イギリス・・・」って何度もつぶやいちゃいました。
もちろん日本だって差別も偏見も格差も間違いなくあると思いますが、何となく「そんなの存在しないフリ」をしてみんな過ごしているというか、心の中では差別する気持ちがあったとしてもその相手に対して差別的な態度はむき出しにしないというか・・・。
そうやって何となくオブラートに包んで差別がないかのように振る舞う日本(それがいいという意味ではないです)と違って、むき出しの差別心を隠しもしない様子は、(変な言い方ですが)さすが差別の本場ヨーロッパという感じで恐れおののきました。
でもだからこそ寄付や施しの文化もまた根強いわけで、こういう背景の違う国同士を同じ価値観で比較したり優劣を競ったりしても意味がないよなぁなんてつくづく思いました。
まぁ日本でも年代とか地域によりますかね。実際、著者が息子さんを連れて日本に帰国した際に、心ない言葉をぶつけられるシーンも描かれていましたし、差別心を行動に表す人は日本でも少なからずいますよね。
その(私から見ると)苛烈な環境で、母と子が対話しつつ、子自身も体験から学びつつたくましく育っていく過程は面白くて学びも多く、一気読み必至の1冊なんですけど、とりわけフムフムと興味深く感じたのが。
シンパシーとエンパシーの違い
についてでした。
イギリスにはシティズンシップ・エデュケーション(直訳すると市民教育)という政治や社会について学んだり議論したりする教科があるそうなんですが、その中でエンパシー(empathy)という言葉が出てきたそうで。
empathyという単語は辞書的には「共感」とか「感情移入」といった意味で、よく聞く「シンパシー(sympathy)」という言葉と混同されがちなのですが、以下のような違いがあるそうな。
オックスフォード英英辞典のサイトによれば、シンパシー(sympathy)は「1.誰かをかわいそうだと思う感情、誰かの問題を理解して気にかけていることを示すこと」「2.ある考え、理念、組織などへの支持や同意を示す行為」「3.同じような意見や感心を持っている人々の間の友情や理解」と書かれている。一方、エンパシー(empathy)は、「他人の感情や経験などを理解する能力」とシンプルに書かれている。つまり、シンパシーのほうは「感情や行為や理解」なのだが、エンパシーのほうは「能力」なのである。前者はふつうに同情したり、共感したりすることのようだが、後者はどうもそうではなさそうである。ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー p.94
つまり、シンパシーのほうはかわいそうな立場の人や問題を抱えた人、自分と似たような意見を持っている人々に対して人間が抱く感情のことだから、自分で努力をしなくとも自然に出て来る。だが、エンパシーは違う。自分と違う理念や信念を持つ人や、別にかわいそうだとは思えない立場の人々が何を考えているのだろうと想像する力のことだ。シンパシーは感情的状態、エンパシーは知的作業と言えるかもしれない。
ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー p.95
いやーめちゃくちゃ本質的・・・!!
以前読んだコチラの本で。
「かわいそうランキング」で上位に来なければ弱者と言えども救済対象にならないというようなことが書かれていて。
「かわいそうランキング」で上位に来るものは子供や若い女性、下位に来るものはいわゆる「キモくて金のないおっさん」などが該当します。
シンパシーとエンパシーの違いを知って、こういう「かわいそうランキング」が生じるのって「シンパシー」を元に行動してるからだよな~と改めて腹落ちしたんですよね。
シンパシーを感じる対象だけに手を差し伸べていたら、ランキング下位層などは視界にも入らないわけで、「かわいそう」だと思えない立場の人にも手を差し伸べるには「エンパシー」が必要だということです。
多様性や平等、弱者支援なんかについて語るとき(&語っている人を見るとき)には、このシンパシーとエンパシーの違いをちゃんと意識しないとならんなと思った私であります。
特に政治に携わる人の言葉や行動はエンパシーから生まれるものであって欲しいと思うし、そこは見極めていかないといけないですよね。
難しいけどな!
ちなみにコチラ、続編が出版されたばかりでして。
そのプロモーションも兼ねてなのか?amazonではKindle Unlimitedの対象になっています。
一読の価値ありなので未読の方はぜひ♪
絵本作家のイラストエッセイ
そして2冊目はコチラ。

思わず考えちゃう [ ヨシタケ シンスケ ]
絵本作家のヨシタケシンスケさんのイラストエッセイです。
最近は図書館に行くと自分の本だけでなく子供たちにも適当に何冊か見繕って借りるようにしているのですが、この本もそんな中の1冊でした(ティーン向けのコーナーに置いてありました)。
んが、私自身もパラパラと読み始めたらめちゃくちゃ面白い&心に響く内容で、結局購入してしまった次第。
ヨシタケシンスケさんが日頃メモ代わりに手帳に描いているイラストとともに、そのときどんなことを考えてそんなイラストを残したのかをつづっていくという形式のエッセイで、最初3分の1くらいは、
「えーこんなことに着目するんだ笑」
という感じでクスッと笑えるライトな感じなのですが。
子育てに関するトピックに話が移ると、これがもうあるあるネタと共感ネタ満載で、
「あーそうなんだよね!!」
とブンブン首を縦に振りたくなって。
さらに仕事に対する姿勢とか日頃モヤモヤと悩んでいることなどに話が移っていくと、より共感できる内容が詰まっていて、何と言うか、今まで自分の中でうまく言語化できていなかったことがイラスト化されたみたいなスッキリ感へとつながっていく・・・。
と、なんとも秀逸な構成の1冊となっております。
タイトルの「思わず考えちゃう」の通り、ヨシタケシンスケさんはめんどくさいことをゴチャゴチャ考えちゃうタイプなんだろうなーと察せられるのですが、それがちょっとオードリーの若林正恭さんに通ずるところがあるというか・・・。
若林さんの著作が好きな方にはかなり響く1冊だと思います。
若林さんについても過去に熱く語っております。
ちなみに私的に一番お気に入りのページはここ。

明日やるよ。すごくやるよ。
今日はもう寝るけど明日すごく頑張るからね!と言い訳しながら今日を終えていく。
こんな感じで日々乗り切って行きたい私であります(*´▽`*)
余談ですが、コチラも続編出ています。
欲が出ました [ ヨシタケ シンスケ ]
うーん、これも読みたい!!
以上、久々の本レビューでした♪
しばらくご無沙汰でしたが、また本の感想も書いていきたいと思います。
では♪♪♪
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コメント
コメント一覧 (2)
三男、保育園デビューからずっと体調崩さず行けていたんですが、ついに風邪を引いてしまいました。
今日から登園してますが、まだ咳が残っていて、このご時世なので預けるのに少し気が引けました…
ちなみに双子はたった1週間行っただけで初夏なのにノロを発症し、翌週まるっと休み、その間もれなく私も夫もノロに倒れるという地獄絵図でした(>_<)
その後もしょっちゅう体調を崩し、未満児のうちは毎日、今日はお迎えコール来ないかな、明日は仕事に行けるかなと怯える日々だったので、三男は丈夫で助かります。子供によってこうも違うのかと、びっくりしております。
三男が第一子だったら、ずいぶん気が楽だっただろうな~。
ブレディみかこさんの本、私も楽天Koboで一部無料のところだけですが読みました!
同じくシンパシーとエンパシーについての話がめちゃくちゃ印象的でした。
学校で教える教科も興味深かったです。
日本じゃそういう教科ないですよね。
道徳が近いのかな、全然違うのかな。
他国や日本の学校教育に、この本読んでから興味がわきました。
ヨシタケシンスケさんのエッセイと面白そうですね~
私、結構絵本好きなつもりなんですが、ヨシタケさんにはあまりご縁がなくて「おしっこちょっぴりもれたろう」を立ち読んだくらいでして。
育休中にNHKのあさイチに出演されているのをみたことがあるんですが、トークが面白かったので(何が面白いかは忘れてしまいましたが(^-^;)、エッセイも読んだら楽しめそうです♪
読みたい本リストに入れさせていただきまーす。
ご紹介ありがとうございました!
やっこ
が
しました