ちょっと更新の間が空いてしまいました。
今年から再開した読書ログ、2月分です。
2月は小説ばかり&まさかのほとんど伊坂幸太郎作品となりました。
読んでる途中のものでビジネス書や新書もあるんですが、小説と違って読むスピードが遅くてなかなか読了とならず・・・。
というわけで感想だけですが、一応記録です。
ずっと読みたかった本が昨年文庫化されたので、ようやく読めました。
植物を研究している大学院生と、彼女に恋をする洋食屋の見習い料理人、2人の視点でつづられる青春小説です。
主人公の大学院生が研究対象としている植物が、シロイヌナズナというモデル植物なんですが、何を隠そう(いや、別に隠してないけど)私も大学~大学院で所属していた研究室でシロイヌナズナの研究してまして。
チマチマと種を植えては葉からDNAを抽出してPCRかけて電気泳動して・・・と毎日(気が狂いそうになるほど)やっていた地味な作業が、こうして小説の題材となっていること自体が新鮮でとっても面白かった。
この小説には(主人公含め)研究に人生を捧げているような人たちが登場するのですが、大学の研究室ってほんとそういう人が少なからず存在するんですよね。
もうなんか、研究材料やテーマに対する愛と情熱と探求心、そして知識量がハンパない人たち。
研究室に所属してそういう人たちを目の当たりにして、「あ、こりゃ私は研究者にはなれないな。この分野でやっていくこと自体多分ムリだわ」と若かりし頃の私はすぐに悟ったよね。
それまでそこそこ優秀な成績で生きて来た私にとって、人生初めての挫折だったと思います。
というわけで院まで出たのに、今は全然違う仕事してます。
この本を読んで、研究に没頭できる人たちが眩しく見えて、ヒリヒリ感じた当時の気持ちをちょっと思い出しました。
寝食忘れるほど好きなことがあって、それに向かって突き進めるっていいですよね。
ストーリー自体は淡々とした日常が描かれていて大きな事件が起こるわけではないんですが、そんな中でも涙なしでは読めないシーンがあったり、研究の結果に一緒にドキドキしたり、もう、
さすが三浦しをん!!
と言いたくなること必至の小説です。
一般的にあまり知られていない世界にスポットを当てた小説としては、この辺りと似ていますね。
「舟を編む」は辞書編纂、「神去なあなあ日常」は林業がテーマです。
三浦しをんのこういったお仕事小説、その仕事に携わる人たちの情熱を丁寧に描いていてほんと大好き。
特にシロイヌナズナに興味なくても(興味ある人なんてあんまりいないか)、とってもオススメの1冊です。
長男の影響で伊坂幸太郎ブームが続いています。
こちらは5人の大学生の大学入学~卒業までをつづった青春小説。
これは、伊坂作品っぽいけど伊坂作品っぽくない・・・。
テンポの良さやセリフ回し、ちょっとだけ登場するファンタジー要素、巷の事件がストーリーに微妙に関連してくる構成なんかは「これぞ伊坂作品!」という感じなのですが、全体に漂う雰囲気はなんだか純文学っぽいなと思いました。
宮本輝の「春の夢」とちょっと雰囲気が似てる。
最初、この小説は一体どこに向かってるの?って感じだったんですが、いつの間にか引き込まれてあっという間に読んでしまいました。
5人の関係が「オレたち仲間だぜ!!」みたいな熱い友情ではないんですけど、気付けば集まるようになって、いつの間にかお互い大事な存在になっていって、とその関係性にグッときます。
一番の変わり者だった西嶋が最後に言うセリフはもう涙腺崩壊。
目的もなく集まってダラダラ過ごして、取り留めもない会話を交わしていた大学の頃を思い出して、大学時代って良かったよねと懐かしい気分になりました。
そう考えると、キャンパスに通えていない今の学生はほんとかわいそうですよね。将来どんな気持ちで大学時代を思い出すんだろうかと少し切なくなります。
伊坂幸太郎の名を知らしめた出世作(多分・・・)、陽気なギャングシリーズの3作目です。
1作目、2作目はだいぶ前に読んでいましたが、最近になって3作目が出ていたんですね。
それぞれ独特な特技を持つ4人組のギャング(銀行強盗)が織りなすコメディで、その流れはこの3作目も変わらず健在です。
今回は自分たちが銀行強盗であることがひょんなことから雑誌記者にバレてしまい、それをネタに強請られて・・・。追いつめられた4人がどう状況をひっくり返していくのか!?というストーリー。
面白かったけど・・・前作を上回る面白さかというと微妙なところですね。
ストーリーのパターンは1作目とほぼ同じで、敵対する相手とそれに対抗するプランがバリエーションとして違っているだけという感じ。
良くも悪くも予定調和的で、そのパターンを楽しみたいのであれば良いですが、最初にこのギャングシリーズを読んだときの「これまでにない面白さ」はないかな・・・。
シリーズものって難しいですよね。
シリーズならではの予定調和的面白さと、マンネリとならないようなストーリー展開が必要ですもんね。相当な力量が必要なんだなと思いました。
なお、このシリーズ3作の中で言うと、私は2作目の「陽気なギャングの日常と襲撃」が少しパターンからは外れていて一番面白いと思います。
モダンタイムス(下)[ 伊坂 幸太郎 ]
またまた伊坂作品。
これは10年以上前に単行本で一度読んでいて、文庫本にて再読です。
システムエンジニアである主人公が、出会い系サイトのシステム改修に携わったことで、特定の検索ワードでweb検索をした人たちが次々と災難に見舞われていることに気付き、その謎を追って過去のある事件にたどり着く・・・というストーリー。
スケール感の大きさや先の読めない展開はゴールデンスランバーと似ているのですが。
ゴールデンスランバーは先月読みました(こちらも再読)。
バイオレンス満載なところや特殊能力を持つ登場人物など、伊坂色はモダンタイムスの方がより濃いですね。
初読のときと同様、文句なく面白い。
「検索する」という行為そのものが、個々人の関心を持っている事柄を表しているわけで、権力側からするとそれを監視するというのはかなり理にかなってますよね。
この設定を10年以上前に書いているというその慧眼に驚きます。
んが、読みながら。
あれ?こんな話だったっけ・・・?
という違和感が拭えなくて。
と思ったら、後書きに「単行本のときとは最終的にたどり着く真相を変えている」ということが書かれていました。
作者的には「より面白い」ものに変えたというスタンスのようですが、それまでに丁寧に積み上げてきた伏線と一部辻褄が合わなくなっているように感じて、私的にはちょっと興醒めでした・・・。
単行本を読んでいなければ素直に楽しめたんでしょうけどね。そこだけがちょっと残念ポイントでした。
違いが気になる方はぜひ単行本の方も!
文庫本は上下巻だから、そんなにお値段変わらないよね。
以上、2月は小説4冊でした!
しかし同じ作家ばっかり読んでるとアラが目に付いちゃいますね。
3月はもう少し幅を広げたいところ・・・。
では♪♪♪
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コメント
コメント一覧 (4)
私は農芸化学出身で、やはりシロイヌナズナ、大腸菌、PCRと懐かしい単語満載でした!そしてソフトボール大会も研究室あるあるだなと思って懐かしくなりました。大学時代の研究室の雰囲気、大好きでした。
私は全然関係ない民間に就職したのに、気付けば転職してまた大腸菌やPCRと向き合う日々を送っています。人生何があるか分かりませんね。
素敵な本の紹介ありがとうございました!
やっこ
が
しました
やっこさん、シロイヌナズナでしたか!
私はシアノバクテリア(ラン藻)でしたよ~。
PCRや形質転換、電気泳動、私もほぼ毎日やってました。懐かしすぎる研究室の日々。
そして私も、院まで行ってはみたけど、研究の世界では生き続けられないなと、食品業界に就職しました。
あれから十数年たって、今後の自分が見通せず、最近は常に心のすみにぼんやりした不安があります。
会社に正社員で働き続けている子持ちの先輩がほぼいなくて(数歳差の方が1人いるけど管理職だしお子さんも結構大きい、あとは先輩だけどお子さんはうちより下って方がごく少数)、ロールモデルがいないこともあり、これから10年先の自分がなかなか想像できません。
そうは言っても普段は余計なことを考える間もなく仕事してるんですが、40歳を目前にしてふとしたときに不安になるこの頃です(◎-◎;)
自分で選んだ道ですが、ワーママって大変ですな…
やっこ
が
しました