もう1月も半分近く過ぎて今さらではありますが、2022年に読んで「面白かった~!!」と強烈に記憶に残った4冊について書いておこうと思います。
今までも何度か(毎年ではないものの)、年間で読んだ本のまとめ的な記事を書いたことがありますが。
2017年↓
2018年↓
2019年↓
今回はですね、↑の記事のように「読んで良かった」とか「影響を受けた」などの意味のあるセレクトではなくて、純粋に、
ヤベーこれ超面白い!!!
と感じた本でまとめてみたいと思います。
ビジネス書とか自己啓発書とか一切ナシ!です。
(なぜならそういう本はほとんど読まなかったから)
ちなみに今年は読書ログちゃんとつけなかったので、読んだけど忘れてる本もあったり、1年の前半に読んだ本は記憶も曖昧だったりするので、比較的最近読んだ本に偏っております。
抱腹絶倒、朝井リョウのエッセイ
まず断トツ面白かったのはコチラ。

風と共にゆとりぬ (文春文庫) [ 朝井 リョウ ]
朝井リョウのエッセイで、若干(いや、かなり?)自虐気味に日常がつづられてるんですけど。
コレ、マジでめちゃくちゃ面白いです。
この「面白い」って言うのはまさに言葉通りの意味で、声出して笑いながら読みました。こんな面白いエッセイは初めて読んだと思う。
とにかく朝井リョウの観察眼とか言語化能力、そしてひねくれたモノの見方がほんとにスゴイのです。
ちなみに↑はエッセイとしては2冊目で、1冊目もあります。

この1冊目も面白いんですが、2冊目の「風と共にゆとりぬ」の方が吹っ切れてるというか突き抜けているというか、清々しいほどバカバカしさに拍車がかかっていて、まさに抱腹絶倒という感じ。
なんとなくまだ新進気鋭の若手作家のイメージが強いですが、このエッセイを読むとそんなイメージは吹き飛びます。
朝井リョウの才能に震える1冊。
なんか全然伝わらない感想でスミマセン。でもこの面白さは読んでみないと分からないので、ぜひお手に取って欲しい・・・。
容赦なく心を抉る、螺旋プロジェクトの1冊

死にがいを求めて生きているの (中公文庫) [ 朝井リョウ ]
北海道に住む2人の少年の関係(幼少期から大学生になるまで)が、2人の周囲にいる複数の人物の視点で描かれています。
ただただ面白かった↑のエッセイと違って、こちらは・・・。
人の心の柔らかい部分を、これでもかと抉ってきます。
これはこれで朝井リョウの真骨頂という感じ。
根底のテーマは何かというと、多分「年齢に応じて成長していけない、幼稚なままの人間の末路」だと思うんですけど、でも本書の中で描かれているような幼稚さって誰もが持ってると思うんですよね。
この幼稚さは、成長すると無くなっていくというより、ただ上手に隠すことを覚えるだけな気がして、そういった普段隠している人に知られたくない「自分の幼くてイタい部分」みたいなものを、容赦なく白日の下に引きずり出して晒してくるんですよ、この本は・・・。
ほんと、朝井リョウ、ヤベェよ(ほめてます)。
ちなみに、この作品は「螺旋プロジェクト」という8人の作家による同じテーマでの競作企画の中の1冊でして。
「海族」 vs 「山族」という共通のテーマで、各作家が原始~未来まで時代を変えて小説をそれぞれ書くというプロジェクトです。
この8冊全て購入済みで、これまで3作品読み終わってるんですけど、その3作品の中では朝井リョウの本書が面白さではズバ抜けています。
螺旋プロジェクト関係なく物語の完成度が高くて、そこに巧みに共通テーマを盛り込んでいるという感じ。
つくづく底知れぬ才能だと思います。
地味だけど、読み始めたら止まらないミステリ―
3冊目も小説。誉田哲也の警察小説です。
誉田哲也の警察小説はシリーズ物が多いですが、これは独立してる単発の小説(だと思います)。
代表作である姫川シリーズや歌舞伎町シリーズは。


かなり作風が派手でバイオレンスな描写も多いのですが、この「背中の蜘蛛」は誉田作品にしては珍しく抑えた筆致というか、派手なシーンなどはなく淡々と物語が進んでいきます。
それなのに・・・。
ページをめくる手が止まらない。
読んでいても中盤くらいまで、この小説が何をテーマにしてるのかよく分からないんですよ。
小さな事件が、それぞれ別の刑事の視点でいくつか描かれるのですが、それぞれの事件自体は別に本筋ではないということだけは分かるのに、裏にある大きなテーマがなかなか姿を現さない。
え?私は一体何の話を読まされてるの?って感じで、ゾワゾワして気になってどんどん読んでしまうのです。
テーマについて書くとネタバレになってしまうのであまり書けませんが・・・。
いや、スゲーよ、誉田哲也・・・。
と唸らされた1冊です。
誉田哲也はバイオレンスなのがちょっとねーと思っている方にも、これはオススメできます。
アナウンサーとしては異色の経歴(東大農学部卒)を持つ桝太一アナが、理系分野の著名人に「なぜ理系を選んだのか?」というインタビューを行った1冊です。
これは図書館でたまたま手に取って、長男や次男に読ませたいなーと思って借りてきたのですが、私の方が楽しんで読んでしまいました。
残念ながら子供たちは見向きせず・・・。
インタビューの相手は宇宙飛行士の山崎直子さんや医師で作家の海堂尊さんといったそうそうたる方たちなのですが、理系を選んだ理由だけでなく、人それぞれの「理系」観みたいなものが垣間見えて興味深く思いました。
本来の意味での理系とは「数学」だけである!なぜなら、理系に分類されている他の学問(医学やら物理学やら)は全て実体のあるものを相手にしているのに対し、数学だけが概念を相手にしているものだから。という意見などもあって(海堂さんだったかな?)、数学の特殊性をよく言い表しているな―と感心しました。
そもそも「理系」を選ぶにあたっては、理系科目が得意だからではなく、まず先に「やりたいこと」があり、その結果として理系を選ぶというのが理想形だと思うのですが、やはりこの本に出てくるような方はみんなそうなんですよね。
私は理系ですが、得意科目で選んだという側面が強くて、しかも学生時代の専門と今の仕事もつながっていないし、そういう一貫性のなさがちょっとコンプレックスだったりもして・・・。
なので、こうして一直線に理系街道を歩んできた方々をとても羨ましく思います。
私自身が中学生、高校生くらいのときに、こういう本読みたかったな~と思いますね。
昔ってあんまりこういう本なかったですよね。
我が家の子供たちは読んでくれませんでしたが、進路選択の岐路に立つ年代の子にはぜひおススメしたい1冊です。
以上4冊でした!
今年の後半は、我が家の読書事情(私だけでなく夫や長男も)が朝井リョウに席巻されて、朝井作品ばっかり読んでたこともあり、かなりその影響が色濃く出るラインナップとなりました(;'∀')
今年はどうなるかな~。
またいろいろ読んでいきたいと思います!
最後にオマケで、2022年に読んだ一押しの漫画です。

数字であそぼ。(1) (フラワーコミックス α) [ 絹田 村子 ]
京都大学(作中では吉田大学となってますが、どう見ても京大)の理学部で数学に悪戦苦闘する大学生を、超シュールな感じで描いたもの。
8巻までが既刊で、まだ続いています。
数学の魔境っぷりと陰キャ大学生の生活のリアルさがめちゃくちゃ面白くて、これも一時期我が家を席巻しました。
大学に入ったとたん、受験数学って何だったの?っていうくらい数学が意味不明のゾーンに入るよね・・・。
数学で絶望感を味わったことのある方はぜひ♪
ただしこれを読んでも数学が理解できるわけではなく、その魔境っぷりが深まるだけです。以上、2022年に読んで面白かった4冊(+α)でした!
では♪♪♪
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